あこがれの場所



昨日のネットにかけたのは、私が子どもの頃着ていたカーディガン。
かなり大きいので多分小学校高学年の頃のものだと思う。

臙脂に藍色のネップが入った毛糸で、鹿の子編みでツイードみたいな編み地。
手編み機で編んであり、襟と袖口のまわりにはかぎ針でスカラップが
編みつけてある。
(母はやらなかったけど、手編み機を持っている人、周りに沢山いました。)
その上に、かぎ針で編んだヒヤシンスのような花をアップリケ。

う〜ん、60年代っぽい。


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子どもの頃、隣の町(小学校の高学年の頃、私の住む街は合併された)の
駅前、街で一番大きな映画館の隣という一等地に(といっても田舎だけど)
その店はあった。
やっと通れるほどの通路1本だけの、細長いウナギの寝床のような店。
左右の壁には天井まで、色とりどりの毛糸が並べられている。


店の一番奥にテーブルがあり、店主の女性が座っていた。
お客とデザインを相談して、糸を選んで、一点一点仕上げる編み物やさん。


When I was small, I had a dream place. It was a tiny shop full of boxes of
beautiful wool yarns on two walls up to the ceiling. The desinger/knitter
made sweaters according to the discussions with her customers.
The sweater is from 1960s made by her.







ベースは殆ど編み機によるものなのだけど、手芸的な飾りが
何かしら付けられていて、下田直子さんの初期のニットの本を見ると、
懐かしかった。

今でも覚えているものがいくつかある。
サーモンピンクの糸に生成の混じり糸のジャケット型、
縁取りはチャコールグレーにやはり生成の混じり糸で2センチほどの幅。
これもツイードのような編み地。胸に縁取りと同じ糸でイニシャルを
クロスステッチで刺繍したもの、メタルボタン付き。

あるいは、グリーンのメリヤス編みのカーディガンで、襟のぐるりに
同じ糸で編んだ2センチ幅くらいのひもが付いて、端にポンポンがついているもの、
これはころんとしたイチゴを編んで、身頃にいくつもつけられていた。

他にもバンビのような鹿が刺繍してあるもの、フィッシャーマンのように編まれた
格子の全部にレージーデージー(当時はレーゼーデージーと言いましたね)
の花束が刺繍されたカーディガン、うすいブルーの霜降りに袖口や
前立てを臙脂と曇った空色の花のモチーフが交互にかこんだカーディガン、
などなど、どれも好きなものばかりでした。

たいてい、妹とお揃いか、色違い。妹とは年子ですが、今は私より
大きい妹も(30歳でアメリカに住むようになって、背がのびた)
子ども時代、頭一つくらい小さくて、親子と間違えられたこともあるくらい。
ニットで、サイズに融通がきくので何年も着た上、また、私のお下がりを
着るのがいやだったと大人になってから聞いた。



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他に編み手がいるという話を聞かなかったから、彼女一人が
全部作っていたという印象でした。
小さい店とはいえ、あの立地で店を維持していたのだから、
今思うと、きっと繁盛していたのだろう。

小さくなってしまったら、状態のいいものは従姉の子どもの所にお下がり
にだして、他のものはほどいて蒸して、毛糸玉にもどして、
粉石けんなどの大きな空き缶(50センチくらい高さがあったかな)に
入れて次の出番をまっていました。
私が編み物をする時は、ここから選ばせてもらったりもした。

この写真のカーディガンは、何故か、ほどかれずにそのまま
残っていたもの。色違いの場合は妹が赤やピンクで、私は茶や青と決まっていた
けれど、これはお揃いだったから、私には珍しく暖色系です。
娘が小さいとき実家で見つけて、持ってきたのですが、あまり着ませんでした。
でも、懐かしくて冬には出してみたりする。


デザインする時、好みを聞いてくれることはあまり無かったけど、
お店について行って、山のような毛糸にかこまれただけで、うっとりだった。
パッチワークのような毛糸の編み見本が沢山並んでいたのが欲しくて欲しくて。
今も、そういうとこ、変わっていません。

by au_petit_bonheur | 2009-01-14 10:11 | 実家ビンテージ

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