人気ブログランキング | 話題のタグを見る

実りの秋 レース編 その2


>カリッ コリッ

>だれ?

>ボクだよ♪ 青ドングリが好物なんだ。

 と答えたのは、愛するぶた顔のリス君。


実りの秋 レース編 その2_d0129646_1655919.jpg


私よりずっとずっと年をとっていて、もう傷だらけ。
遠くフランスからわが屋根裏へ。





>きれいなご婦人が、娘の友だちにとボクをこの世に送り出してくれたんだよ。
>本当?かわいい女の子があなたを刺繍したのじゃない?
>どっちにしても、こんな日本の屋根裏の住人のところにくるなんて
 思いもしなかったさ。プンプン!

 食べているところを邪魔されて、どうやらご立腹のリス君です。


実りの秋 レース編 その2_d0129646_1663958.jpg



リスの部分はニードル(ポイント)レース。
ニードルレースはボビンレースとならんで、
ハンドメイドレースの2大カテゴリーのひとつ。

刺繍から発達したレースで、布に刺さないで、
ボタンホールステッチとその応用のステッチをつかって
宙に刺繍する要領でつくられます。

職人の手になる、華麗、繊細、優美、あるいは豪華なニードルポイントのタイプ、さまざまありますが、こんな少し野暮ったいホームメイドなものもかわいい。


実りの秋 レース編 その2_d0129646_167171.jpg


リスの両端には、おなかがすかないよう、ドングリの葉っぱと実が
あります。

このドングリの枝の部分、リシュリューというタイプのカットワーク刺繍になっています。

刺繍して穴をあけたレースをカットワークとひとまとめにされますが、アンティークレースの世界では、こんな風にデザインの所だけ残してまわりをカットして、バーでつないであるような、カットワークレースをリシュリューというんです。




実りの秋 レース編 その2_d0129646_1671992.jpg


作ったのは女の子じゃない?とリス君を怒らせたのは、こんな葉っぱの部分をみて。

葉っぱ一枚一枚にいろんなデザインのドロンワークや刺繍が施されて、
さながらサンプラーのようになっているのです。まるで、小さな女の子が
習って知っているだけのデザインを試してみたみたいに、その技術も素朴なもの。

私はサンプラーが大好きなんですよ、リス君。


実りの秋 レース編 その2_d0129646_1683248.jpg


全体はこんな風。
すそはハンドメイドのボビンレース。




実りの秋 レース編 その2_d0129646_1634813.jpg


今日の散歩のおみやげ。
青いドングリ、飾っておくとそのまま茶色のドングリになります。
はかまが付いたままのドングリが欲しいときはいいですよ。

by au_petit_bonheur | 2008-10-04 17:07 | レースノート

<< St. James's... 実りの秋 レース編 >>