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昭和のテネリフレース編み器

小さい頃から、母のタンスや、父の生家のタンスや押し入れをごそごそ探すのが好きだった。もう使わないのに嫁入りのときに持ってきた母の娘時代の着物や帯揚げ、伯母たちの着物や裁縫道具、そして祖母たちの細々したものが色々出てくる。ちょうだいとはなかなかいえないのだけど、時々抽き出しをあけてみるのが楽しい。それぞれの時代の流行の色や布の質感が、日頃目にしている自分の周りのものと違うのが面白くて新鮮なのだ。

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これは子供の頃何度か目にしたことはあったけど、大人になってからもらった母の娘時代の道具。





戦前が娘時代だった母の姉や父の姉妹は女学校や女専やその後のお稽古ごとで和洋の刺繍やら布花やら編み物やら色々したらしく、道具や作ったものが残っているのだけど、昭和始め生まれの母は、女学校は途中から勤労動員で勉強もあまりできなかったという世代。手芸らしいことはあまりしなくて、手の仕事といえば戦後になってからの洋裁中心だった。その母としては珍しい手芸用品です。


若い頃に流行って、極細の糸でマフラーなどを作ったと聞いた。そのマフラーも一枚持ってきていて、子供心に、かぎ針とは違うモチーフだなあと思っていたのでした。テネリフレースを知るようになって、なんだか似ているなあと改めて見ると、Tenerife Worksと書いてあるので、母の娘時代には、この技法がもう日本にも伝わっていたのを初めて知った次第です。

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よくよく見ると、「日研文化編物普及会」と書いてあって、旧字体になっている。戦前のもので、もとは伯母のものだったのかな。確認してみなくては。

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「日研文化編物普及会」がどんなところかサーチをしてみたのだけど、見つからず、かわりに『昭和手藝教本:レース篇』(河野富子 柳原書店 1943/2 第29版 )という本を見つけた。


目次によるとドロン・ウォーク、ハーダンガー・ウォーク、バテン・レース 、フイレー・レース、ネット・レース 、タッテング・レース、マクラメ・レース とともにテネリフ・レース(表記は目次のまま)の作り方が紹介されている。国会図書館サーチでこの本を見ると初版は昭和5年だそう。(うーん、まだデジタル化はされていないみたい)

昭和20年代にはもう入っていたのかと驚いたら、昭和の初めにはもうあったのね、という話でした。一番初めはいつなんだろう。


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フランスの古いテネリフの図案集も持っているし、いつかやってみようかと思うのだけど、でも、この道具、普通みる西洋のテネリフレースよりずっと大きいものが出来そうなんです。(ポストカードの幅より大きい)そして取り外しができる中心部分はどう扱うのか、まだよく分からない。(外側だけで出来るけど)

by au_petit_bonheur | 2012-10-08 23:11 | 実家ビンテージ

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