センチメンタル・バリュー


45年選手。
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私ではなく(笑)このプラスチックのバッグ。
当座使うだけのかぎ針セットを入れています。


crocheting tools in my favorite plastic handbag (given to me 45 years ago )





30代と40代で結婚した両親なので、妹とは年子(ほとんどきっかり1年違い)
そして、その2歳下(2年未満)の弟と、小さい弟妹が続いて生まれ、
私は父の担当になることが多く、外出、祖母の家で仕事(週一回〜2回通っていた)
など、いつも父の車の助手席に座っていた記憶がある。

このバッグは、そんな風に父と二人で京都にツタンカーメン展を見に行った帰り、
父の大学時代の恩師宅にお邪魔したとき、おみやげにともらったもの。

戦後復員してきてから大学院に戻った後、祖父に呼び戻されるまで
大学に残っていた父は、その教授をとても尊敬して、
仕事場の壁に写真を飾ってもいたのが、子ども心になんだか不思議だったけど、
(かちかちまじめな感じの肖像写真なんだもの)
このバッグを見ると、ゆったりした和室で教授と座卓をはさんで、
いつもより若返って、嬉しそうに話していた父と、ちんまりした自分が
見えるように思える。

京都へは家族で行くときは、いつもは車だったのに、
父と2人で山陽本線に乗ったのが珍しく、車中で交わした会話や
途中通り過ぎた、煙突が多く、空が灰色の町にびっくりしたこと
(阪神工業地帯というのを社会で習ったとき、あれがそうだったのかと思ったり
更に後にビクトリア朝のロンドンの空を表現してsooty 煤けた という語を耳にして
思い浮かんだのもこの眺めだった。公害などにうるさくなる前だから
今より煙も沢山だったのだと思う。19世紀のイギリスも昭和40年代の日本も
工業化まっさかりの時代ですから)など車窓からの眺めもいつもより記憶に残っている。


このプラスチック、何の加工か、暗いところに置くとぼーっと黄緑色に光るのが、
形、色とともに子ども時代のお気に入りで、夜、枕元において、電気を消してから
睡りにつくまで眺めて飽きなかった。
娘が小さいときは、泊まりに来た友だちに、電気を消して「不思議なバッグだよ」と
このバッグをネタに勝手な夜のお話をでっちあげたりもしたものでした。


などと、長く一緒にあるものには、もしかしたら、はたから見るとヒビの入った、
ただのきたないバッグからあれこれと思い出すことがあり、時には棚の奥にしまいこみ、
また思い出してお気に入りを入れることをくりかえし、
(レースセット入れに使うこと何度か。大きさがちょうどいいんですね)
10回以上の引っ越しにもめげず、まあ、これからも
ずっと家にあり続けるはず。

こういうのって経済的価値とは別の、センチメンタル・バリューだなあと
思うこと、ものが最近増えて来ました。



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中身はこんな風。これなしでは(あっても辛い)できない老眼鏡と
意味なくバレリーナ。
(いっぱい入っていた糸くずなどは整理した後のやらせ画像です。当然。笑)
久しぶりにレース針を出したところで、ちょっと試しているモチーフあり。
(鎖とピコットがほとんどで単純なのだけど、編み順を解読中)

出来上がったモチーフ入れにしている石けんの箱と人形はいただきもの。
箱には、ばらのいい香りの石けんが入っていたので、あける度にいい気分。


*秋に済ましたはずの新型インフルエンザに娘がかかった。
1ヶ月近く出かけず、無菌状態だったのが、センター試験会場で
もらってきたらしい。もしかするとすぐに、私にやってくるかも知れず、びくびく。
でも、が〜っと熱が上がってふにゃふにゃになる感じ、イメージでは好き。

by au_petit_bonheur | 2010-01-22 13:43 | 実家ビンテージ

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