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フレンチジェットのビーズ刺繍パーツ

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フランスアンティークのビーズ刺繍モチーフ。リボン状になっています。
大量のガラスビーズの重さを支えるためでしょうか、コードで大まかな形を作った上にビーズを縫い付けたり渡したりして作られているものが、この黒ガラスのビーズのモチーフにはよく見られます。(写真を取り忘れたので、他のモチーフの裏側)

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19世紀のファッションリーダーであったビクトリア女王が、
夫アルバート公の死(1861年)以後、喪に服し続けたたことから、
ビクトリア朝後期は黒が流行色。イギリスに限らず黒の服装、
アクセサリーが流行しましたが、ジェットはアクセサリーに人気の素材でした。
その代用品としてだけでなく、ドレス装飾のビーズ刺繍などには
フレンチジェットと呼ばれる漆黒のガラスビーズがよく用いられました。

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いびつにカットされたプレーンな黒のガラスビーズもいいものですが、
このモチーフはネイルヘッド(釘の頭)やソウオン(縫い付け)と呼ばれるビーズ
(表側は様々にカット、後ろが平らで、縫い付けて使うのに便利なタイプ)や
変形のビーズ中心に作られていますので。ビーズ取りの点で考えると、
同時期の同様のモチーフより、価値があると思います。

でも、すぐにビーズをとってしまわないで、ネックレスや他の利用法で
楽しんでから。こうした古いビーズモチーフ、たいてい衣類などから
とりはずされたもの、ほつれやビーズの欠落などありますが、
古いものは、直し直し使うのもいいものです。
(最初の画像は西陣のデッドストックのシルクモアレの黒リボンとあわせてみた。)

ネイルヘッドタイプのガラスビーズは20世紀に入ってからも(フラッパーの時代
ビーズ刺繍の薄物のドレスが流行っていますから。でもこの時期はスパングル
も沢山のものが多いかな?)作られているようですが、これは多分19世紀もの。
(ネイルヘッドタイプがいつ頃からか不勉強だけど)


ところで、クリームのセルロイドで象牙を模したものはフレンチアイボリー、
模造ジェットはフレンチジェット、とフレンチが付くのは何故なんでしょう?

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by au_petit_bonheur | 2009-12-14 19:41 | 古いもの

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