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マクラメレース


peneさんのブログで編み目のきれいなワイヤーのかごをみたので、思い出した
マクラメレースのフリンジ2点。

マクラメは、1960年代の私の子ども時代、親たちの買い物袋やのれん、ベルトなど
身近にあり、手芸書ではマクラメで編んだふくろうなんていうのも見かけた。
(ジュート素材や甘縒りの真っ白な綿糸が多かったのではないかと思います)


ここ数年、またファッションにハンドメイドものが取り入れられるようになって、
マクラメのバッグも見かける。何も道具を使わないで、(ボビンレースのボビンのようなおもりを使うこともあるそうですが)手だけで糸に結び目を作ってつくられる
マクラメは、レトロな感じとともに、暖かいタッチがあります。

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アンティークリネンの素敵に刺繍がほどこされたタオルやクロスで、端が
きれいなフリンジになっているもの、ご覧になられた方も多いと思います。

様々な結び目でつくるマクラメレースは、もともとタオルの端をほつれないように
するために縦糸の端を結んでいたのが発展して、装飾的になっていったもので、
古代バビロニアやアッシリアの遺物にも彫られている、もっとも古くから伝わる
レース技法の一つ。
マクラメということばはアラビア語のタオルという意味の語からとって、
イタリア人が使い始めたとのことです。

16世紀以降ニードルレースやボビンレースが発達するより以前は、マクラメは
特にイタリアやスペインにおいて、僧衣を始め教会関係の布を装飾する重要な
レースの手法だったけれど、その後、様々な装飾的なレースが発展するにつれて、
舞台の脇役に。
その後、時は代わり、19世紀中ば、タッセルやフリンジが流行するとともに、
再度流行するようになる。インテリア用のレースやマクラメのバッグなど、
現在ののイメージよりとても精巧なものが作られました。

1920年代、ファッションやインテリアの流行がシンプルなものに移行したため、
装飾的なマクラメはまたも影をひそめていき、そして再度リバイバルしたのが
1960年代。

船乗りのクラフトとしてもよく作られ、船が港につくと換金されたそうです。
船乗りのニットや刺繍なども、目を見張るようなすばらしいものがありますが、
マクラメは、ロープワークが得意な船乗りにふさわしいクラフトだったのかも
知れませんね。

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一枚目のマクラメは、ヘンプ素材でできた、シンプルなもの。
糸端がそのまま長いフリンジになっています。


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用途は何だったのでしょうか?
半円が二つ分つながっています。一つの半円の直径25センチくらい。
(フリンジ含まず)
このまま、あるいは上端に布をつけて、カーテンに、半円一つ分で
バッグのふたやすそなどにつけて、あるいは、二つ折りにして、
同じ形の内袋をつけてそのままバッグにしても面白いかなあと思います。
素朴さが好ましいフリンジ。

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2枚目はとても細かい、フリンジ。こんなフリンジはカーテンや
テーブルクロスの端などに用いられたようです。
ビクトリアンのマクラメのイメージ通りのもの。
フリンジも入れて、幅12センチ 長さ43センチ。
一模様 5センチくらい。

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とてもかっちりとした端正な編み上がり。
上端が梯子状になっているのはリボンなどを通すためだと思うけれど、そうすると
用途はさて?
こんな細かい編み目のマクラメは古い小さなバッグでも見かけますが、
そういうバッグはシルクなど、布で内袋が付けられています。


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カーテン、クッションなどの他大きなバッグの縁取りにもいいと思う。

結び目で作られたレースだから、用途によっては途中でカットして使うことも
できそう。
(一枚目のより、結び目の間隔が小さいので難しそうだけれど)


*cherinさまからご指摘があり、1つめのレース、よくよく見たら、
確かにフィレレースを斜め使いにして上部を絞り、結んだ端を垂らした状態のようで、
マクラメレースではなくフィレレースでした。
買ったときの説明を鵜呑みにしないように気をつけているのですけど、
影響されて見間違えていました。
結ぶという点で、シンプルなマクラメと、大きめのフィレ、そういえば確かに似ています。
上の絞ったようになっていたところが、上から下へ結んで長くしていくマクラメにしては
何だろうとぼんやりと気になっていたのですが、これで合点がいきました。
cherinさん、ありがとうございました。また何かありましたら、教えてくださいね!

タイトルその他はそのままにしておりますが、上記訂正いたします。

by au_petit_bonheur | 2008-10-18 18:42 | レースノート

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